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縄文講義 #2
講師:小林達雄(国学院大学名誉教授) | 2016年11月25日
Jomon Lecture #2

国学院大学名誉教授で縄文の第一人者である、小林達雄先生にインタビューすることができました。小林先生によると、この国の自然観の基盤は縄文時代に形成され、その感覚は昭和までは至る所に残っていたそうです。先生によると、これまでの考古学は人間学的視点が欠落していて、民俗学は稲作文化で線引きされてきましたが、本当は、1万年以上続いた縄文文化が日本文化の基盤であり、1万年間で築いた自然共生文化は大陸にはないものなので、日本らしさを語る上で縄文時代は欠かせないそうです。そして、縄文人の暮らしは我々が想像する以上に高度であったと考えられ、例えば、二至二分と遺跡(ムラ)の位置は深い関係にあり、縄文人は太陽をよく観察していたということや、8世紀に完成した万葉集に使われた言葉は、急に発達したのではなく、縄文時代に使われていた言葉からも来ているはずであり、特にオノマトペ(擬音語・擬声語・擬態語)は自然そのものを言葉で豊かに表現しており、これは日本文化が自然の現象に深い造詣を有している証拠だということでした。つまり、縄文人は現代人の能力と変わらない学習能力持っていたと考えられるのだそうです。


さらに、小林先生からは、縄文時代から長い歴史を経てずっと継承されている共有の地域資源として“景観”についてのお話をいただくことができました。これからの地域づくりには、出ていく人を引き留めるのではなく、一度出て行っても戻ってきたいと思える”景観”作りが重要だそう。”景観”には「①昔」と「②今」の景観があって、人がその景観を”懐かしい”と思えるためには「①昔の景観=歴史性」と「②今の景観の中での”体験”」が重要であるとのこと。個人の想いは表現することによって共有財産になるので、皆でその表現されたものを景観として共有していくことが重要だとのことでした。自由主義社会では自分自身というものを見失いがちなので、自分の居場所・立ち位置・そして地元を知ることが大切になってくるので、地元の様々な景観を大事に共有してほしい、とのことでした。